リスを捕って売れ!―人の心に共感・共振を起こす“野性の心”を磨け!野人になれ!

リスを捕って売れ（副題：共感のリーダーシップ）を読んだ。これは組織の管理者層に対する自己啓発であると共に、人間愛（一部、動物愛）を描いた作品である。作者の高野氏の今までのエネルギッシュな人生が集約された力作であり、組織の管理者層だけでなく、青少年や家庭の主婦などにも広く楽しめると思う。一言で言って、子供の頃に修得したリス捕りのコツを、社会人になってからの営業の技術に活かし、成功を修めたことは素晴らしい。ストーリーは高野氏の腕白な少年時代にはじまり、エリートサラリーマン・国際的な経営者・宗教家の様な姿・家族想いの父親など様々な立場で展開され面白い。又、仕事・マネージメント・生き方だけでなく、人情話・恋愛話も多く登場し興味を引かれた。小中学校時代の先生を初め、いろいろな良き人達との出会いが描かれている。特に、人情豊かな大島の二村農園の人々、高野氏を愛しながら自分は身を引いていった克子さん、日本の警察官達の勇敢な姿などが印象的である。又、本の後半に高野氏は自分のカラオケの持ち歌は水原弘（これは城卓矢の間違い）の「骨まで愛して」と述べていることからも高野氏が人間愛を最も大切なものと考えていることが読み取れる。そして最期には、きちんと自分のミッションステートメントを述べて作品をしめている。自分の夢に対して何をすべきかを明確化している姿は見習いたい。